7月を楽しんで過ごす生活アイデア 土用の丑の日、土用干し

「土用」とは、陰陽五行説の考え方に基づく暦で、立春、立夏、立秋、立冬の18日前のこと。梅雨があけ、季節が夏へむかう7月20日を「土用の入り」として立秋前日までを「土用」、中でも丑の日のことを「土用の丑」といいます。この季節を楽しく過ごす、「土用」にちなんだ生活アイディアをご紹介します。

梅雨が明けたころ、やっておきたい土用干し
「土用干し」とは?
「土用干し」、あまりなじみのない言葉になってしまいましたが、もともとは梅雨明け前後に訪れる「土用」の期間に、家にこもった湿気をとり払うため、衣類や書物などを太陽の下で干すことを言います。湿気のほか、虫もとり払うことで、虫干しともいいますね。江戸時代の書物にも残っており、四季のある日本ならではの風習です。

「土用干し」の方法
衣類の虫干しをご紹介します。
1.晴れて風がほどよい日に、上着、ズボン、スカートなどのそれぞれの衣類を別々にハンガーにかけて、風通しのよい室内や直射日光があたらない場所につるす。
2.1~2時間ほど干したらとりこむ。
3.衣類にブラシをかける。
4.最後にアイロンを(かけられるものは)かけてしまいましょう。

「土用の丑の日」にうなぎを食べるのはなぜ?
土用の期間(18日間)の中で丑の日を「土用の丑」といいます。
今年は7月24日(木)です。この日に「うなぎ」を食べるようになったのにはこんないわれがあります。
提唱者はエレキテルの発明で知られる平賀源内、江戸時代の蘭学者です。うなぎ屋さんの宣伝のため、昔からあった伝承『丑の日に「う」のつく食べ物を食べると健康でいられる』を利用し、うなぎ屋さんの看板に書いたところ、うなぎ屋さんが大繁盛したと言われています。
しかしながら、単なる宣伝と思うなかれ、うなぎはビタミンAをたっぷり含んだスタミナ食なのです。この栄養素をこの暑くなる時期に摂取することで夏バテを予防しようという先人の知恵でもあると言われ、最近では季節の風物詩となっています。

うなぎ以外の、夏バテ防止の食べ物は?
歴史をひもとけば、土用にはうなぎ以外にも「土用たまご」「土用しじみ」などの風習があったようです。
また「う」という文字のつく、元気が出るものということで見ると「梅干し」もいいのでは、と一部では言われています。また「大暑」に天ぷらを食べると夏バテ防止になるという説もありますが、根拠ははっきりしていないようです。
この時期に摂取したい栄養素は、ビタミンをはじめとする疲労回復に効果的なもの。旬をあわせて考えると、ビタミンB1、B2が多い「そば」、ビタミンB1が多く含まれる「豚肉」、疲労回復や虚弱体質の改善に役立つ栄養素がいっぱい「ヤマイモ」などがオススメです。