「せいろ」は、日本の食文化において欠かせない存在の1つです。蒸し器の一種で、竹製の円筒形のものに食材を入れて蒸すことができる調理器具になります。せいろを使った料理は、以前から日本で親しまれていますが、最近は各家庭でも広く利用されています。今回は、この「せいろ」の魅力についてご紹介します。
せいろの歴史
せいろが登場したのは、江戸時代までさかのぼります。当時、「食材を蒸すこと」が一般的な調理法の1つとして広まりました。竹製のせいろは、軽くて扱いやすく丈夫で、手軽に調理できるとして、特に江戸時代の庶民の間で非常に重宝されました。
その後、せいろは多くの家庭や和食のお店などで使われるようになり、現在に至るまで人気が衰えることはありません。
現在では、せいろは伝統的な調理器具してだけでなく、環境に優しい道具としても高く評価されています。
せいろの基本的な使い方
せいろを使い始める前の準備として、焦げ付き防止のため、せいろ全体を軽く水で濡らしておきます。
まずは、せいろより少し小さいサイズの鍋を用意し、適量の水(せいろの底に触れない程度)を入れ、沸騰させます。
次に、食材をせいろに並べ、鍋の上に置きます。食材を直接せいろに乗せる場合は、後片付けをラクにするため、クッキングシートや蒸し布を敷くのがおすすめです。蓋をしっかり閉じて、蒸し始めます。
蒸し時間は、食材によって異なりますが、目安として、野菜は約5~10分、肉や魚は約10~20分、点心などは10分以上蒸すのが一般的です。一定時間蒸したら火を止め、やけどに気を付けて取り出し、盛り付けていただきます。
使用後のせいろは、流水で洗い、よく乾燥させてから保管します。
せいろを使った代表的な料理
せいろを使った料理には、さまざまな種類がありますが、特に有名なのは「蒸し餃子」や「点心」です。せいろの細かい目に蒸気が通ることで、食材を均等に蒸すことができ、皮がもちっと、中身がふわっとした食感に仕上がります。
また、せいろで蒸した「蒸し野菜」も人気があります。野菜の水分が適度に保たれることで甘みが凝縮され、素材本来の味が引き出されます。
さらに、「せいろご飯」や「せいろそば」など、特定の食材をせいろで蒸して仕上げる料理もあります。
せいろは、古くから愛され続けている調理器具であり、そのシンプルな使い方と多様性から、現代でも幅広く利用されています。今回のよりみち料理でもせいろを使った料理を紹介しています。これを機に、せいろを使った料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。